最近のマスコミ報道の中で、ひときわ目を引くテーマの一つに“ウィルス性肝炎と肝臓ガン発症との因果関係”が挙げられます。【ウィルス性肝炎】のうち、特に【C型肝炎】のキャリア(ウィルス感染者)の方は、罹患してから20年から30年を経過すると、【肝臓ガン】に罹る確率が極めて高いことが判明してきたのです。
この原因となったのが、今から20年前までまかり通っていた医療行為における【注射の打ちまわし】や麻薬・覚せい剤の【回し打ち】、ウィルスに汚染されていることを知らずに使用されていた【輸血血液】と【血液製剤】でした。無論、当時の医療現場では【C型肝炎ウィルス】の存在は全く知られていませんでした。
【C型肝炎ウィルス】が発見されたのは1988年のこと。そして、その翌年にやっと血液検査で感染のチェックができるようになったのです。
しかし、皮肉にも最近になってこの【C型肝炎】の問題が一躍クローズアップされることになったのです。それがご存知の“エイズ薬害問題”です。【血友病】の方の治療のために投与された止血剤の中に【エイズウィルス】が紛れ込んでおり、これが原因でエイズが発症するという痛ましい事件が明るみになりました。
そして、事態はさらに深刻な局面を迎えることになります。実は、この【エイズウィルス】のほかにも【C型肝炎ウィルス】が潜んでいたことが判明したのです。【血友病】の治療を受けていた患者さんにとってはまさにダブルパンチ!その惨状は察して余りあるものがあります。
さらにこれに輪をかけるような事件が勃発いたします。交通事故など突発的なアクシデントにより出血多量で病院に担ぎ込まれた方や、出産後の出血が止まらない妊婦の方に対して投与された【濃縮血液製剤・フィブリノーゲン】の中にも【C型肝炎ウィルス】が隠れていたのです。
【C型肝炎ウィルス】は体内に長く潜伏するため、その多くは慢性化の道を辿ります。また、ウィルスに感染していても免疫力のある方は症状が表に出ない【無症候性キャリア】のために、自らが病気であることを自覚することがなく、日常生活に不便をきたすことがありません。従って、病識のないまま過ごしていたある日、たまたま受けた血液検査で自らが【C型肝炎】である事実を知らされた、というケースが多々あるのです。
いわゆる【C型肝炎ウィルス】のキャリアの方のうち、その60〜70%が【慢性肝炎】に移行いたします。また、20年後にはこのうちの30〜40%が【肝硬変】へと進行していきます。さらに、その10年後にはこの【肝硬変】を抱える方の20から30%が【肝臓ガン】になっていくのです。
現在、【C型肝炎ウィルス】のキャリアの方は日本全国で約200万人と推定されていますが、そのうち、【肝臓ガン】でなくなっていく方は1年間に約3万4千人とにものぼると報告されています。このような事態を重く見た厚生労働省は、現在40歳以上の方のうち、過去に次のような体験をされた方に対して、一刻も早く血液検査を受けるよう警告を発しています。